今日の一問 理科(愛知県・改)
-天体観測の問題-
天体望遠鏡に太陽投影板と遮光板を取り付け、金環日食を観測した。
下の図は金環日食が観測できたときのスケッチで、記録用紙にうつった月のかげの直径d1は太陽の像の直径d2の0.94倍であった。なお、月の直径は地球の直径の0.27倍とし、金環日食が起こったときの観測地点から太陽までの距離は、観測地点から月までの距離の400倍とする。
この観測の結果から、実際の太陽の直径は地球の直径のおよそ何倍と考えられるか。最も適当なものを、次のア~キまでの中から選びなさい。
ア.55倍 イ.115倍 ウ.375倍 エ.400倍
オ.425倍 カ.1400倍 キ.1575倍
<答え>
イ(115倍)
まず、スケッチから分かることは、太陽と月の見かけ上の大きさがほぼ同じということである。つまり、太陽が月と比べて400倍も離れているのにほぼ同じ大きさに見えることから、太陽の直径が月の直径のほぼ400倍であることが分かる。
したがって、地球の直径を1とすると、月の直径は27/100であり、
太陽の直径は(27/100)×400倍=108ということになる。
しかし、これは月と太陽がまったく同じ大きさに見えたときの数字である。
実際には太陽の直径の94/100が月の直径に見えたことから、
太陽の直径をXと置くと、X×94/100=108 が成り立つ。
よって、X=114.89…≒115倍となる。
<ワンポイントアドバイス>
ほとんどの教科書には、太陽の直径は地球の直径の約109倍と載っています。
これを知っていれば、わざわざ計算しなくても答えを導けたのではないでしょうか。